WordやExcel、PowerPointを使っていると、端に[▲]と[▼]の両方が付いたボックスを使って、数字を設定する機会がたんまり出てきます。
これをスピンボックスと呼びますが、今回はこのスピンボックスを使う際に、是非とも知っておきたいことを特集してみます。
今回は、解説をわかりやすくするために、前半はWord、後半ではExcelを使いますが、スピンボックス自体の使い方は、Wordでも、Excelでも、PowerPointでも同じ。
Officeを操作していると、さまざまな場面でスピンボックスが出てくるので、設定時の参考にしてください。
それでは最初はWordを使って、解説していきます!
操作しながらご覧になりたい方は、Wordを起動してください。
まずはスピンボックスを使うために、図形があると解説しやすいので、楕円の図形を描いてみます。
[挿入]タブ、[図]グループの[図形]ボタンをクリックし、
【Word 2016】
[楕円]ボタンをクリックします。
【Word 2013・2010】
[円/楕円]ボタンをクリックします。
文書のところにマウスポインタを持って行き、右下に向かってドラッグすると、
楕円の図形を描くことができました。
表示される単位
図形を描いた直後は、図形の周囲にポッチが付き、図形が選択されて、操作できる状態になっています。
このままの状態で、
[描画ツール]の[書式]タブ、
[サイズ]グループを見てみると、スピンボックスがあります。
上にあるのが図形の[高さ]、下にあるのが図形の[幅]を設定するものです。
スピンボックスに表示される単位は、図形の[高さ]と[幅]の場合、Word、Excelではオプション設定、PowerPointではWindowsの設定によって変わってきますし、
何を設定するスピンボックスなのか、ということで単位が変わってくることもあるので、Wordの、あるスピンボックスでは、単位が「字」や「行」になっていたりします。
というわけで、基本は、スピンボックスに表示されている単位で設定するんだな、と思えばそれでOKです。
[▲][▼]ボタンを使う
[▲][▼]ボタンの操作は簡単。
[▲]を押せば押すほど、大きい数字を設定できますし、[▼]を押せば押すほど、設定の数字は小さくなり、
その設定は即座に対象物に反映されるので、今回は図形の高さや幅が変わります。
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スピンボックスに直接入力
[▲][▼]は、好みの数字になるまで何度も押さなければならないため、現在の数字よりもだいぶ離れた数字を設定するときには、直接スピンボックスに数字を入力してしまった方が早いです。
スピンボックスに入力するときには、スピンボックスでクリックすると、
スピンボックス内の文字がすべて選択された状態になるか、
またはスピンボックス内に文字カーソルが入ります。
スピンボックス内の文字がすべて選択された状態になった場合は、これらの文字をいちいち消さなくても、
新たな数字を入力すれば上書きできます。
この時、単位は入力しなくても大丈夫。あとで自動で補完されます。
また、こういった設定値の数字は半角で入力するのが望ましいので、私は日本語入力OFFで入力しています。
全角で入力するとどうなるかなどは、このページの最後にまとめているので、あとでご覧ください。
スピンボックス内に文字カーソルが入った場合には、
キーボードの[BackSpace]キーや[Delete]キーで不要な数字を消して、
新たな数字を入力します。
単位はそのまま残して、数字だけを修正してもいいですし、単位も含めてすべて消してしまって、数字だけを入力するのでも、どちらでも大丈夫。
単位は消してしまっても、あとで自動で補完されます。
数字を入力後、スピンボックス内に文字カーソルがある状態では、まだその設定は有効になっていないので、
設定の対象物にはまだ変化はありません。
数字を入力後、スピンボックス内の文字カーソルが表示されなくなるまで、
[Enter]キーで確定することで、
はじめてその設定が対象物に反映されます。
また、設定が有効になると、設定した数字が微妙に変わる場合があります。
今回の例では「21.5mm」に設定したはずなのに、「21.48mm」になっています。
これはOfficeが微妙な調整を入れてくれたもので、1mmにも満たないごくごくわずかな調整なので、気にしなくてOKです。
ただし、数字を入力後、スピンボックス内の文字カーソルが表示されなくなるまで、[Enter]キーで確定することについて、作業ウィンドウや、ダイアログボックスにあるスピンボックスでは若干だけ動きが変わってきます。
次の章で、その違いについて見ていきましょう。
ダイアログボックスでのスピンボックス
図形が選択されている状態で、
[描画ツール]の[書式]タブ、
[サイズ]グループにある、図のような小っちゃいボタンをクリックすると、
表示されたこのダイアログボックスでも、図形の幅や高さを変更することができます。
試しに幅を変更してみましょう。
[サイズ]タブの、[幅]にある[固定]欄でクリックして、
数字を入力します。
もちろん、単位はそのまま残して、数字だけを修正してもいいですし、単位も含めてすべて消してしまって、数字だけを入力するのでも、どちらでも構いません。
単位は消してしまっても、あとで自動で補完されます。
スピンボックス内に文字カーソルがあるので、これを確定すべく、[Enter]キーを押すと、[Enter]キーには「確定」という意味の他に「実行」という意味もあるので、このダイアログボックスの[OK]ボタンを押したときと同様、設定を実行した上で、ダイアログボックスが閉じます。
ところが、同じダイアログボックスで何箇所も設定したいような場合、スピンボックスに入力後[Enter]キーを押す度に、ダイアログボックスが閉じてしまったのでは、もう一度ダイアログボックスを表示させる手間が増えてしまいます。
そんな時に便利なのがこの方法!
数字を入力後、まだ同じダイアログボックスの他の箇所でも設定を行いたい場合には、[Enter]キーではなく、
[Tab]キーを押すと、
次のスピンボックスが入力できる状態になり、ダイアログボックスも閉じることはないので、続けて設定を行うことができます。
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作業ウィンドウでのスピンボックス
この章は、Office 2016・2013向けの章なので、Office 2010をお使いの方は、次の章に進んでください。
次は、作業ウィンドウでのスピンボックスの入力について見ていきましょう。
説明を分かりやすくするため、今度はExcelを使っていきます。
Excelを起動し、このページの冒頭と同じ要領で図形の楕円を描きます。
描いた図形が選択されている状態で、
[描画ツール]の[書式]タブ、
[サイズ]グループにある、図のような小っちゃいボタンをクリックすると、
Excelでは、ダイアログボックスではなく作業ウィンドウが表示されます。
この作業ウィンドウでも、図形の[高さ]と[幅]を設定できるわけですが、試しに[幅]を設定してみることにしましょう。
[幅]欄でクリックして、
数字を入力します。
もちろん、単位はそのまま残して、数字だけを修正してもいいですし、単位も含めてすべて消してしまって、数字だけを入力するのでも、どちらでも構いません。
単位は消してしまっても、あとで自動で補完されます。
数字を入力後、スピンボックス内の文字カーソルが表示されなくなるまで、確定しようと[Enter]キーを押しても、
作業ウィンドウの場合は、文字カーソルはスピンボックス内に入ったまま。
でも、[Enter]キーで確定することで、その設定が有効になることは変わらないので、
[Enter]キーで入力した数字を確定してはじめて、その設定が対象物に反映されます。
(一部、例外として[Enter]キーで確定しなくても、入力するだけで設定が反映されるものもあったりするのですが、基本は[Enter]キーでの確定で反映です。)
また、数字を入力後、[Tab]キーを使って、
次の項目を設定できる状態にすることで、設定を有効にすることもできます。
Office 2013とOffice 2010では、リボンのスピンボックスのみ[Tab]キーが使えない
ここまでで、スピンボックスに直接入力したら、[Enter]キーを押して入力を確定するか、[Tab]キーで次の項目へ移ることをお伝えしました。
[Enter]キーについては、何も気にせずお使い頂ければそれでOKなのですが、[Tab]キーは、Office 2013とOffice 2010で、リボンのスピンボックスのみ[Tab]キーが使えません。
このあたりはナーバスにならず、[Tab]キー使ってもダメだったら[Enter]キー、程度に軽く考えればそれでOKなのですが、気になる方のために念のためまとめてみました。
【Office 2016】
Office 2016では、リボンでも、作業ウィンドウでも、ダイアログボックスでも、スピンボックスに直接入力後、[Tab]キーを押すことで、次の項目に移ることができます。
【Office 2013】
Office 2013では、作業ウィンドウとダイアログボックスでは、スピンボックスに直接入力後、[Tab]キーを押すことで、次の項目に移ることができますが、リボンにあるスピンボックスだけは、[Tab]キーを押しても次の項目に移らないので、[Enter]キーでのみの確定となります。
【Office 2010】
Office 2010では、ダイアログボックスにあるスピンボックスなら、直接入力後、[Tab]キーを押すことで、次の項目に移ることができますが、リボンにあるスピンボックスは、[Tab]キーを押しても次の項目に移らないので、[Enter]キーでのみの確定となります。
(Office 2010では、作業ウィンドウでスピンボックスを扱うことはありません。)
スピンボックスで別の単位を使う
スピンボックスに表示される単位は、Word、Excelならオプション設定、PowerPointならWindowsの設定によって変わってきます。
図形が選択されている状態で、作業ウィンドウの[高さ]と[幅]を見てみます。
私が使っているExcelでは、単位が「cm」に設定されているので、[高さ]と[幅]の単位もcmになっています。
もし、「mm」で設定したければ、数字だけでなく、その単位も含めて入力すればOK。
「mm」なら「m」を2つ、半角で入力すればいいんです。
入力したら[Enter]キーか[Tab]キーで設定を有効にすると、
「mm」で設定したものが、規定に設定されている「cm」に自動的に換算されて表示されます!
スピンボックスに入力する際の気になることを解決!
スピンボックスに入力するような設定値は、数字を入力する場合も、単位を入力する場合も、半角で入力するのが望ましいので、私は日本語入力OFFで入力しています。
単位も「mm」なら半角で「m」を2つ、「cm」なら半角で「c」と「m」を入力します。
でも、Wordで出てくるような「字」や「行」といった単位は、全角でないと入力できないものなので、そういうものだけは全角で入力します。
もし、半角で入力するのが望ましい設定値を全角で入力してしまっても、
設定が有効になれば自動的に半角に変わってくれるので、そんなことは覚えなくていい!と思う方もいらっしゃるかもですが、Office以外のソフトを使う際にも役立つ知識なので、「設定値は半角」ということは覚えておいて損はありません。
また、スピンボックスに入力されているものを見ると、数字と単位の間にスペースが入っているので、修正する際に、このスペースが消えるとまずいのか、または、数字と単位を合わせて入力する際に、数字と単位の間にスペースを入れて入力した方が良いのか悩む方もいらっしゃると思うのですが、このスペースは特に気にする必要がありません。
数字だけを修正する際に、スペースが消えてしまっても問題ないですし、数字と単位を合わせて入力するときも、スペースを間に挟まず、数字と単位を続けて入力してしまって問題ありません。
設定が有効になれば、自動的に数字と単位の間にスペースが入ります。