文面に、縦書きで差出人を入れる方法を、操作で迷いがちな入力や、位置調整のポイントも交えながらご紹介していきます!
ちなみに、このページの例で使用する暑中見舞いはがきは、「暑中見舞いはがき Andante」さんのさんのテンプレートを使わせて頂いて作ったものです。
詳しい作り方は、「【タイプB】テンプレートで暑中見舞い作成」でご紹介していますが、他のタイプの暑中見舞い・残暑見舞いでも、差出人欄を作る方法は同じですので、早速スタートしていきましょう!
テキストボックスで差出人欄を作る
「暑中見舞い・残暑見舞い 文面の作り方」のSTEP2では、さまざまな文面の作り方をご紹介しているので、まずはお好みの文面を完成させてください。
そして、その文面作成の最後の仕上げとして、差出人を入れていきます。
差出人欄は、テキストボックスで作ります。
[挿入]タブの[図形]ボタンをクリックして、一覧から[縦書きテキストボックス]ボタンをクリックします。
ドラッグで適当な大きさに描きます。
テキストボックスの大きさは、後からいくらでも調整できるので、ナーバスになる必要はありませんが、ハガキからはみ出さない程度で、ある程度大きめに描いておくと操作しやすいです。
また、テキストボックスの位置も、後からいくらでも調整できるので、他の素材の柄や文字にかぶってしまっても、特に気にする必要はありません。
テキストボックスを描いたら、差出人の情報を入力していきます。
入力の際、しょっぱなからくじけてしまいそうになるのが、郵便記号(郵便マーク)の入力。
でも、方法はとっても簡単。
「ゆうびん」と入力して変換すれば、
「〒」マークが入力できます。
また、郵便番号のハイフンは、縦書きだとどのように入力するんだろう?と、一瞬迷ってしまいそうですが、横書きの時と同じように考えれば大丈夫。
ハイフンや、「ジュース」「ビール」の「ー」を入力する時のキーを打ち、
変換すればいいだけです。
変換候補を見ると、どれにすればいいのか、パッと見で分かりづらいのですが、1つ1つ見ていくと分かりますので、まずは入力してみてください。
そして、変換候補の中で、「ハイフン」にするのか、「ダッシュ」(ハイフンよりちょっと長い)にするのかはお好みでいいと思います。
差出人情報を入力することができました!
今回の例では、会社名も入力していますが、プライベートの暑中見舞いや残暑見舞いはがきなら、もちろん会社名は入力しませんので、以降の操作も、会社名のところは飛ばしてお読みください。
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やっぱり「2段階選択」
STEP2を見ながら文面を作ってくださった方には、もう耳にタコができるか、発狂するかの勢いで、文字が入っている図形の「2段階選択」についてご説明しております。
でもやっぱり、文字が入っている図形を扱う時は、この「2段階選択」を意識していないと先に進まないんです!
なので、超クドイけど、ギットギトにしつこいけど、ここでも説明してしまいます!
「脂ギッシュ」でも何とでも言ってくれ〜!(笑)
テキストボックスの周囲に「ポッチ」が付いていますが、この「ポッチ」が付いている状態が、このテキストボックスが動かせる状態だということ。
「動かせない状態」にすることを「選択の解除」と言っていきます。
もし、このテキストボックスの選択を解除したいなら、テキストボックス以外のところでクリックすれば、選択を解除することができます。
ですが、テンプレートを使ったはがきの文面の場合、「テキストボックス以外」のところが、テンプレートなどの他の素材であることも多いため、手際よくパッパッとクリックしているつもりが、微妙にドラッグになってしまい、せっかく用紙にピッタリ合わせたテンプレートをズルッと動かしてしまうことも。
というわけで、おしとやかで丁寧な(笑)クリックを心がけます。
でも、おしとやかで丁寧なクリックがどうしても苦手という方は、下の図のような「文書の右側の外」をクリックして選択を解除するようにすれば、他の素材に影響することもありません。
(この時のマウスポインタの形は、Wordのバージョンによって、白い矢印の状態だったりします。)
同じ「文書の外」でも、「文書の左側の外」だと、文書のつくりによっては、文書内の様々なものが範囲選択される状況になってしまう場合があるのでオススメできません。
(この時のマウスポインタの形は、Wordのバージョンによって、上の図とは反対向きの矢印の状態だったりします。)
また、「文書の上側の外」や「文書の下側の外」だと、マウスポインタが図のような形になります。
この形でただクリックするだけなら大丈夫なのですが、ダブルクリックしてしまうと、上下の余白を非表示にするという操作になってしまい、何かと混乱の元になってしまいます。
(今回使っている例は、余白が0mmのはがきなので、操作をしても違いが分かりづらいのですが、余白があるはがきだと違いが分かります。
ダブルクリックして実際に確認してみた方は、もう一度ダブルクリックして、元の表示に直しておいてください。)
というわけで、文書の外をクリックする方法で選択を解除するなら、「文書の右側の外」をクリックするのがオススメです。
(この時のマウスポインタの形は、Wordのバージョンによって、白い矢印の状態だったりします。)
そして、ここからが超重要!!
テキストボックスなど、文字が入っている図形を選択する時には、2段階選択が操作のカギとなります!
まず、選択したいテキストボックスの文字のところにマウスポインタを持っていくと、マウスポインタは、文字カーソルを入れるための形となるので、その状態でクリックすると、テキストボックスの中に文字カーソルが入り、合わせてその周囲に「ポッチ」が表示されます。
でも、このように文字カーソルが入っている状態は、「ここに文字を入力しますよ」という状態であって、テキストボックス全体を選択しているわけではありません。
そこで更に、テキストボックスの外枠にある、ポッチとポッチとをつなぐ線にマウスポインタを合わせ、マウスポインタが図のような黒い十字の形でクリックすると、文字カーソルが消えているのに図形が選択されている状態になります。
これが、図形全体を選択している状態です。
このように、文字が入った図形の操作は、選択がとても重要になってきますので、
(1)まずは文字が入った図形の中でクリックして、文字カーソルを入れる
(2)ポッチとポッチとをつなぐ線をクリックして、図形全体を選択する
の、2段階の選択操作を常に意識していきましょう!
これについての、もっと詳しい解説は、「図形やテキストボックス、ワードアートの選択」をご覧ください。
特に、Word 2007をお使いの方は、テキストボックスが選択されている時の状態の表示が、Word 2010以降と少し違うので、一度ご覧いただくことを強くおすすめします。
見栄えを整える
それでは、差出人欄の見栄えを整えていきましょう!
上記の2段階選択の操作で、テキストボックス全体を選択します。
[ホーム]タブにある、おなじみの[フォント]ボックスで、お好みのフォントを選択します。
テキストボックス全体を選択しておいたので、テキストボックス内の文字すべてのフォントが変わりました!
今度はフォントサイズを整えていきます。
郵便番号は小さくていいので、そのようにしていきましょう。
郵便番号の文字の部分をなぞるようにドラッグすると、郵便番号の部分だけを範囲選択できます。
[ホーム]タブにある、おなじみの[フォントサイズ]ボックスで、お好みのフォントサイズを選択します。
会社名と差出人の名前は、やや大きい方がいいので、そのようにしていきましょう。
会社名と差出人の名前の部分をなぞるようにドラッグし、範囲選択します。
もし、プライベートの暑中見舞いや残暑見舞いなら、会社名は入力していないので、差出人の名前だけを範囲選択すればOKです。
この時、差出人の名前が、テキストボックス内の最後の行だった場合、残りの空間も選択されているように見えますが、これは最後の行だからなので、気にしなくてOKです。
お好みのフォントサイズを指定します。
また、お好みで太字にしておいてもいいかもしれません。
文字を大きく、太字にしたので、少しカッコよくなりました。
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行間を狭める
「行と行との間が空いているのが気になる、もうちょっとピッチリした感じにしたい!」という方は、各行の行間を狭めていくことにしましょう。
行と行との間をビッチリくっつけるには、行間をフォントサイズと同じ値に設定します。
でも、それだとあまりにも余裕の無い感じだなぁ、と思う場合には、フォントサイズの値にプラスして、だいたい2pt〜4pt程度を加えるといいんじゃないかと私は思っております。
今回の場合は、完全に私の好みなのですが、郵便番号の行の行間は、フォントサイズと同じ値にして、それ以外の行は、フォントサイズの値に4ptをプラスした値で、行間を設定したいと思います。
今回の例では、各行でフォントサイズが違うため、行間の設定値も各行で異なりますから、それぞれの行ごとに設定していきます。
まずは郵便番号をなぞるようにドラッグし、範囲選択します。
[ホーム]タブ、
[段落]グループにある、ダイアログボックス起動ツールをクリックします。
または、同じく[ホーム]タブ、[段落]グループの
【Word 2016・2013・2010】[行と段落の間隔]ボタンをクリックし、
【Word 2007】[行間]ボタンをクリックし、
[行間のオプション]をクリックする方法でもOKです。
上記のどちらかの操作をしても、このような[段落]ダイアログボックスが表示されます。
このダイアログボックスの[インデントと行間隔]タブで設定していきます。
現在、範囲選択している行は、常にこれから設定する行間の値にしておきたいので、[行間]で[固定値]を選択します。
[間隔]は、選択した文字のフォントサイズと同じ値にしてみます。
今回の例では、郵便番号のフォントサイズは、このページの最初の方で設定したとおり9ptなので、それと同じ「9pt」に設定し、[OK]ボタンをクリックします。
ちなみに、フォントサイズを知りたい時は、知りたい文字を選択した状態で[フォントサイズ]ボックスを見ると表示されていますヨ。
今度は、住所が入力されている行に行間を設定していきましょう。
住所をなぞるようにドラッグし、範囲選択します。
[ホーム]タブ、[段落]グループのダイアログボックス起動ツールをクリックします。
これも、先程と同じように、表示されたダイアログボックスの[インデントと行間隔]タブで設定していきます。
今回の例では、住所はフォントサイズを変更しなかったので、規定値の10.5ptになったままです。
これに+4ptすると、14.5ptなので、「固定値:14.5pt」に設定すればいいのですが、私の完全なる好みの問題で(笑)、キリのいい「14pt」に設定することにしましょう。
[行間]で[固定値]を選択し、[間隔]を「14pt」に設定し、[OK]ボタンをクリックします。
続いて、会社名と氏名は同じフォントサイズなので、行間も一緒に設定していきましょう。
もちろん、会社名を入力していない場合には、氏名だけの設定でOKです。
会社名と氏名をなぞるようにドラッグし、範囲選択します。
[ホーム]タブ、[段落]グループのダイアログボックス起動ツールをクリックします。
もちろん、表示されたダイアログボックスの[インデントと行間隔]タブで設定していきます。
今回の例では、会社名と氏名のフォントサイズは、14pt。
これに+4ptすると、18ptなので、[行間]で[固定値]を選択し、[間隔]を「18pt」に設定し、[OK]ボタンをクリックします。
ピッチリ過ぎない程度に、行間を狭めることができました!
このピッチリ具合は完全にお好みなので、お好きな数値に設定してください。
行の配置を整える
会社名と氏名が上揃えになっているとカッコ悪いので、行の配置を整えていきます。
まずは会社名の行を、上端から少し下側に引っ込めたいと思います。
今度は会社名の行だけに設定を加えるので、会社名の行だけを範囲選択したいのですが、行間を狭めた直後は、会社名と氏名の両方の行が選択されている状態です。
この状態のまま、会社名の行だけ無理やりドラッグで範囲選択し直そうとすると、すでに選択している文字をドラッグすることになるので、それは文字の移動の操作になってしまいます。
すでに範囲選択している部分を、範囲選択し直そうとする場合には、現在範囲選択している箇所以外のどこかをクリックし、範囲選択を解除してから選択し直します。
では、改めて会社名の行だけを範囲選択していきましょう。
会社名をなぞるようにドラッグし、範囲選択します。
端から内側に引っ込めたい時にはインデントを設定しますが、縦書きの場合にはルーラーを使ったインデント設定ができないので、別の方法を取ることにしましょう。
[ホーム]タブ、
【Word 2016・2013】[段落]グループの[インデントを増やす]ボタンを、会社名が好みの位置に来るまでクリックします。
【Word 2010・2007】[段落]グループの[インデント]ボタンを、会社名が好みの位置に来るまでクリックします。
会社名の行を、上端より少し下側に引っ込めることができました!
次に、氏名の行の配置を整えていきます。
氏名の行をドラッグでなぞり、範囲選択します。
氏名の行は、会社名よりも更に下側に引っ込めたいので、少しずつ引っ込めるというより、この行自体を下揃えに設定して、一気に下側に持っていくことにします。
[ホーム]タブ、[段落]グループにあるボタンの中でも、横書きの時には右揃えにするボタンが、縦書きの時には下に揃えるボタンに変わっています。
これをクリックすると、
氏名の行を下揃えにすることができました!
でもここで、中には、「いやいや、下がり過ぎ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
または、「ほとんど下がらなかった!」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、これは次の章でちゃんと整えますので、このまま先に進んでいきましょう!
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テキストボックスの大きさを整える
氏名の行を下揃えにすることで、「いやいや、下がり過ぎ!」と思ったり、逆に「ほとんど下がらなかった!」という方もいらっしゃるかもしれません。
これは、テキストボックスの高さによるもの。
テキストボックスの高さが高ければ、その下端に氏名の行が揃うわけですから、グッと下がりますし、逆にテキストボックスの高さが低ければ、その下端に揃えても、たいして動いたようには見えません。
そこで、テキストボックスの大きさを整えていきます。
テキストボックスが選択されている状態では、周囲にポッチが表示されます。
高さを変えるポッチにマウスポインタを合わせ、マウスポインタが両矢印の形になったら、内側か外側にドラッグして、お好みの高さに変更します。
テキストボックスの高さを変更することで、氏名の行のバランスも整います。
続いて、横幅を変えるポッチにマウスポインタを合わせ、マウスポインタが両矢印の形になったら、ドラッグしてお好みの幅に変更します。
テキストボックスを透明にする
今のままの状態ではテキストボックス自体に色が付いているので、テキストボックスの下敷きになっている、テンプレートの柄などが隠れてしまっています。
今回のようなテキストボックスでは、中身の文字だけが見えていればそれでいいのであって、テキストボックス自体の色は必要ありません。
そこで、テキストボックス自体の色を透明にしていきます。
テキストボックスを選択した状態で、
【Word 2016・2013・2010】
[描画ツール]の[書式]タブ、[図形のスタイル]グループにある、[図形の塗りつぶし]ボタンと、[図形の枠線]ボタンを使って、テキストボックスの色を無くしていきます。
【Word 2007】
[テキストボックスツール]の[書式]タブ、[テキストボックススタイル]グループにある、[図形の塗りつぶし]ボタンと、[図形の枠線]ボタンを使って、テキストボックスの色を無くしていきます。
[図形の塗りつぶし]ボタンの[▼]をクリックすると一覧が表示されるので、[塗りつぶしなし]をクリックすると、テキストボックス自体の色が無くなります。
また、[図形の枠線]ボタンの[▼]をクリックし、一覧から[線なし]をクリックすれば、テキストボックスの外枠の線を消すことができます。
でも、中には、[図形の塗りつぶし]を[塗りつぶしなし]にするのは分かるけれど、なぜ[図形の枠線]を[線なし]にするんだろう?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
図形は、中身(塗りつぶし)と外枠(枠線)とに分かれていて、[図形の塗りつぶし]を[塗りつぶしなし]にするだけでは、中身だけ透明にして、枠線はそのまま残ってしまいます。
ただ、テキストボックスを選択している状態だと、枠線が残ってしまっているのが分かりづらいので、疑問に思った方は、[図形の枠線]を[線なし]にする前に、一旦テキストボックスの選択を解除して確認してみると、状況が把握できると思います。
テキストボックスの移動
最後に、テキストボックスを移動して、位置を整えましょう。
テキストボックス全体を選択した際、マウスポインタが図のような黒い十字の形になるわけですが、この形でドラッグすれば、テキストボックスの場所を移動できるので、好みの位置にテキストボックスを動かします。
【Word 2007】
この時、Word 2007では、ドラッグでの移動がしづらく、場合によってはテキストボックスを動かしたいのに、下に敷いているテンプレートなどを動かしてしまう場合もあるかもしれません。
もし、テキストボックスではないものを動かしてしまった場合には、[元に戻す]ボタンで元の状態に戻してから、下記の方法で対処してください。
【Word 2007】
[塗りつぶしなし]や[線なし]に設定した図形は、ドラッグでの移動が急激に操作しづらくなってしまいます。
もし、ドラッグでの移動がうまくできない場合には、二度手間・三度手間にはなってしまいますが、[図形の塗りつぶし]ボタンと、[図形の枠線]ボタンで、塗りつぶしと枠線の両方に何らかの色を設定した後、ドラッグでテキストボックスを移動し、再度、[塗りつぶしなし]と[線なし]を設定するか、ドラッグではなく、下記でご紹介している、キーボードを使った移動の操作で位置を整えます。
【Word 2016・2013・2010・2007】
微妙な位置調整は、ドラッグだと大きく動いてしまってやりづらいので、キーボードを使って調整していきます。
テキストボックス全体を選択したら、キーボードの[←][↑]といった方向キーをポンッ、ポンッと押していくだけ。
この時、「もっと細かく動かせないかな」と思った方は、[Ctrl]キーを押したまま方向キーを押してみて、さっきよりもちょっぴりずつ動かせるか試してみてください。
[Ctrl]キーを押したまま方向キーを押す方が、細かく動かせる方は、その方法で微調整します。
これで文面は完成です!
残りは印刷だけ。
「STEP3:印刷」に進みます!