はがき・ラベルの宛名印刷や、文書への差し込み印刷にも活用しやすい住所録にするためには、住所録に「どんな項目を作るのか」が大切なポイント!
そして更に、Excelの機能をフル活用して、後で行うデータ入力をしやすくする工夫を仕込みます!
このページは、「会社名」や「役職」欄のある住所録の作り方のSTEP 1です。
下記の赤いボタンをクリックすると、目次ページからご覧いただけます。
また、「会社名」や「役職」欄は不要という方は、「エクセルで住所録作成(改訂版)」をご覧ください。
会社名・役職付き住所録に是非とも作っておきたい項目
まずは1行目の各セルに、住所録の「項目名」を入力します。
この図だと、どんな項目名があるのか分かりづらいので、下の図で各項目を確認してみましょう。
会社名・役職付き住所録は、どうしても項目数が多くなってしまいますが、中にはどうしてこの項目が必要なの?というのもあると思います。 これは下記のような理由で設けています。
- No
他の項目で並べ替えした後、入力順になるよう並べ替えしたくなった時のため。 - 会社種別・種別前後・社名のみ
「株式会社」や「有限会社」といった種別を含まず、社名のみで並べ替えられるようにするため。 - 会社名
「株式会社」や「有限会社」といった種別を含んだフルネーム。 - 氏名・姓・名
「氏名」だけでなく、「姓」と「名」を別々に作っておくことで、この住所録を使って、Wordではがき・ラベルの宛名印刷や、文書への差し込み印刷をする時に何かと重宝します。 - 住所A・住所B・住所1・住所2
この住所録の大きな工夫ポイント。必ず4項目とも作ります。
4項目必要な理由は、後ほどご説明します。
住所録の作成でよくあるトラブルの回避
「住所B」は、「8-12」のような、住所の番地部分を入力する欄です。
ですが、「文字列の表示形式」でご紹介しているように、特に何も設定していない既定の状態のセルに、「8-12」といった番地のみを入力すると、「8月12日」のように日付として入力されてしまいます。
そこで、そのトラブルを、回避するための設定を行っていきましょう。
(本当にそうなるのか、実際に操作して、日付として入力されてしまった方は、混乱を回避するため、必ず[元に戻す]ボタンで、入力前の状態に戻しておいてください。)
それでは、トラブル回避の設定を行います。
設定は、1件目のデータを入力するセルだけでOK。(理由は後でご説明します。)
1件目のデータを入力する行の、「住所B」のセルを選択し、選択したセルのところで右クリック、
[セルの書式設定]をクリックします。
[表示形式]タブで、表示形式を文字列に設定し、[OK]ボタンをクリックします。
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日本語入力の自動切替
「日本語入力をオンにし忘れてうっかり入力」といったことを防ぐために、選択したセルによって、日本語入力のオン/オフが自動で切り替わるように設定します。
下記の欄は、日本語入力がオンの、「ひらがな」入力モードで入力したい欄なので、これらのセルを選択すると、自動でそう切り替わるように設定してみます。
【設定する欄】
「社名のみ」「支店名」「部名」「課名」「役職」「氏名」「姓」「名」「住所A」「住所B」「住所2」
設定は、1件目のデータを入力するセルだけでOK。(理由は後でご説明します。)
1件目のデータを入力する行の、「社名のみ」「支店名」「部名」「課名」「役職」「氏名」「姓」「名」「住所A」「住所B」「住所2」のセルを選択します。
上記の欄以外でも、「この欄には設定する必要があるのでは?」と思うところもあるかもしれませんが、そこは手入力するセルじゃなかったりするので、心配する必要はありません。
[データ]タブ、[データツール]グループの[データの入力規則]ボタンをクリックします。
この時、ボタンは絵柄の部分と[▼]の部分の、2層構造になっているので、絵柄の方のボタン([▼]じゃない方のボタン)をクリックします。
[日本語入力]タブで、「ひらがな」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
今度は、「No」と「電話番号」のセル。
これらのセルは、漢字などに変換する必要が無い、数字を入力するセルなので、日本語入力はオフでいいです。
というわけで、1件目のデータを入力する行の、「No」と「電話番号」のセルを選択し、
先ほど同様、[データ]タブ、[データツール]グループの[データの入力規則]ボタンをクリックします。
この時も、ボタンは絵柄の部分と[▼]の部分の、2層構造になっているので、絵柄の方のボタン([▼]じゃない方のボタン)をクリックします。
[日本語入力]タブで、「オフ」を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
「会社種別」「種別前後」は、手入力せずに選択肢から選ぶようにしますし、「社名カナ」「会社名」「フリガナ」「郵便番号」「住所1」「役職文字数」欄は、後の工程で数式を設定するので、自分でデータを入力する欄ではありませんから、日本語入力の自動切替は設定しなくてOKです。
列幅の調整
短いデータしか入力しないと思われる列は列幅を狭くし、データが長くなると思われる列は列幅を広げます。
幅は適当で構いません。
何を入力するか分からない列の列幅はそのままで構いません。
これ位かな〜という、何となくの幅で大丈夫です。
そして、実際のデータを入力した後など、列幅が足りないなと思った時に、いつでも広げてください。
もちろん、列幅を狭めたいなと思ったら、いつでも狭めてください。
ちなみに、「住所A」には、県・市・町の名前まで、「住所B」には、番地を入力しますので、だいたいそれが入る位の列幅にします。
そして「住所1」には、「住所A」と「住所B」のデータをくっつけたものを、後で数式を使って表示させます。
というわけで、「住所1」は、「住所A」の列幅と「住所B」の列幅を合わせた位の幅にしておきます。
もちろん、「何となくこれ位かな」の目分量で大丈夫ですヨ。
「住所2」には、マンション名などの建物名を入力しますので、だいたいそれが入る位の列幅にします。
会社名関連の設定
今回作り方をご紹介している住所録では、「会社種別」「種別前後」「社名のみ」「社名カナ」「会社名」と、会社名関連の項目だけで結構な項目数があります。
どうしてこのような項目があるのか、これにはちゃんと理由があり、もちろん入力も最小限で済むよう工夫しています。
理由を含め、この部分の設定については「株式会社や有限会社を除いた会社名で並べ替えられる会社名簿」でご紹介していますので、そちらをご覧いただきながら引き続き設定をしていきます。
(移動先のページでは、操作を終えた後、またここに戻ってこれるようになっていますので、安心して手順どおり進めてください。)
「株式会社や有限会社を除いた会社名で並べ替えられる会社名簿」に進む
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入力前のひと工夫
「株式会社や有限会社を除いた会社名で並べ替えられる会社名簿」での設定が終わったら、続きの操作をしていきましょう!
Excelで作る住所録は、「1行に1件を入力」という、右方向への入力となるので、1つのセルに入力後、[Enter]キーを押してそのセルへの入力を確定したら、次に選択されるセルは、下ではなく、右のセルにした方が入力しやすいです。
というわけで、そのように設定していきましょう。
[ファイル]タブをクリックし、
切り替わった画面の左側にある[オプション]をクリックします。
表示されたダイアログボックスの左側で[詳細設定]を選択し、その右側に表示された[Enter]キーを押した後のセルの移動方向の設定を「右」に変更します。
最後にダイアログボックス右下の[OK]ボタンをクリックします。
【Windows 7で、「Microsoft Office IME」をお使いの方】
住所録の入力では、人名や地名の入力がメインとなりますから、日本語入力システムの変換モードを人名/地名にしておきます。
【Windows 8.1 / 10】
【Windows 8.1や10の環境の方は、このIMEの変換モードを変える操作はありません。
1件目の入力
まだ設定が終わっていない欄がありますが、その前に1件目のデータを入力しておくと、それらの設定がしやすいので、1件目のデータを入力していきましょう。
まずは「No」。
「No」は通し番号を入力する欄なので、1件目のデータには「1」と入力します。
「会社種別」「種別前後」「社名のみ」「社名カナ」「会社名」欄は、「株式会社や有限会社を除いた会社名で並べ替えられる会社名簿」でご紹介した設定時に、データも入力しているので、次の欄に進みます。
続いて「支店名」「部名」「課名」「役職」欄を入力します。
これらの欄は、各データによって、埋まったり埋まらなかったりする欄なので、必要なところに入力すればそれでOKです。
もちろんデータによっては、この欄のどれにも入力しない場合もあります。
必要な欄に入力後、[Enter]キーで確定すると、
[Enter]キーを押した後のセルの移動方向の設定を変えておいたので、右隣のセルが選択されます。
「氏名」は、苗字と名前の間にスペースを入力します。
こうすることで、「姓」と「名」の欄はいちいち入力しなくても、この「氏名」を使って後で簡単にデータを生成することができます。
「フリガナ」、「姓」、「名」、「郵便番号」欄への入力は、後でExcelの機能を使って埋めますので、入力する必要はありません。
「住所A」欄には、住所の県・市・町部分を入力しますが、実際にその住所をいちいち漢字で入力する必要はありません。
下記のページでご紹介しているように、郵便番号を入力して変換すると・・・
- 【Windows 10 / 8.1をお使いの方】
郵便番号だけで住所を入力! - 【Windows 7で、「Microsoft Office IME」をお使いの方】
人名/地名変換モード
その郵便番号に該当する住所に変換できます。
この「住所A」欄には、郵便番号で変換できた部分だけを入力し、残りの住所は次の欄に入力します。
ちなみに、住所録データの英数字は半角で入力するのがオススメです。
住所録が完成後、そのデータを使ってWordのはがき宛名印刷をする際、特に住所は、半角で入力された数字なら、自動的に漢数字に変換できるからです。
ですが、この「住所A」欄は、郵便番号を入力して変換するので、
変換して表示された住所の英数字が、半角ではなく全角で表示されることもあります。
この場合は全角のままで問題ありません。
「住所B」欄には、「住所A」の残りを入力しますが、マンション名などの建物名は、次の「住所2」欄に入力します。
そして先ほどもご紹介したように、住所録データの英数字は半角で入力するのがオススメです。
特に住所のデータは、Wordのはがき宛名印刷をする際に、半角で数字が入力されていると、自動的に漢数字に変換できるからです。
「住所1」欄には、住所録完成後、後々Wordではがき宛名印刷を行った時に綺麗なレイアウトになるよう、「住所A」と「住所B」のデータをくっつけたものを表示させますが、その設定は後で行いますので、今は何も入力せずに先に進みます。
「住所2」欄には、マンション名などの建物名を入力します。
ここまで入力した他の住所欄と同様、英数字は半角で入力するのがオススメです。
もちろん、建物名が無ければ、この欄に入力する必要はありません。
建物名は基本的には「住所2」欄に入力しますが、最初の「住所A」欄で、郵便番号を入力して変換したら建物名まで出てきた、という場合もあります。
その場合は「住所A」欄をそのまま活かしますので、「住所2」欄に建物名だけを移さなきゃとか、そういう風に考える必要はありません。
この住所入力のポイントは、「住所A」欄には、郵便番号で変換できた部分だけを入力し、残りの住所は「住所B」と「住所2」欄に入力なので、最初の「住所A」欄で、郵便番号を入力して変換したら、それが住所全部だったというのであれば、「住所A」欄のみの入力でOKとなります。
電話番号は普通に入力します。
「役職文字数」欄は、後で関数を設定するので、何も入力する必要はありません。
これで、1件目のデータ入力が終了です!
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フリガナの設定
PHONETIC関数を使って、入力した「氏名」のデータを元に、「フリガナ」欄にフリガナを表示させましょう。
1件目の「フリガナ」欄であるL2番地を選択し、[関数の挿入]ボタンをクリック。
ここからPHONETIC関数の設定に入ります。
K2番地に入力された「氏名」のデータを元に、フリガナが表示されるよう、PHONETIC関数を設定します。
設定方法が分からない方は「ふりがなを表示!PHONETIC関数」をご覧ください。
L2番地にフリガナを表示させることができました!
L2番地を選択した状態で数式バーを見ると、設定した数式の中身を確認できます。
今回設定した数式は、このようになります。
郵便番号の設定
ASC関数とPHONETIC関数を使って、入力した「住所A」のデータを元に、「郵便番号」を表示させます。
1件目の「郵便番号」欄であるO2番地を選択し、[関数の挿入]ボタンをクリック。
ここから、ASC関数とPHONETIC関数の設定をします。
設定の方法は、「関数で住所を郵便番号に変換!」で詳しくご紹介していますが、
このセルに設定する数式は、このようになります。
「住所A」のデータを元に、ASC関数とPHONETIC関数を使って、「郵便番号」を表示させることができました。
「住所1」の設定
「住所1」には、「&」を使って、「住所A」と「住所B」のデータをくっつけたものを表示させます。
これは、完成した住所録を使ってはがき宛名印刷をした際に、番地までの住所が2行に分けてレイアウトされ、短い住所だった場合に見栄えが悪くなるのを防ぐためです。
「住所A」と「住所B」のデータをくっつけてまとめておけば、はがき宛名印刷の際も、綺麗にレイアウトされます。
というわけで、1件目の「住所1」欄であるR2番地には、1件目の「住所A」欄であるP2番地のデータと、1件目の「住所B」欄であるQ2番地のデータをくっつけて表示させたいわけですから、
このセルに設定する数式は、このようになります。
「住所A」と「住所B」のデータをくっつけたものを表示させることができました。
「役職文字数」の設定
最近は、役職の文字数が多いケースも多く、完成した住所録を使ってはがき宛名印刷をした際に、図のように宛名の上に役職を配置できないケースも増えてきました。
そこで、役職の文字数が多いものは、役職を別の行にレイアウトするなどの工夫が必要になります。
そういった別の処理をするための判断基準を設けるため、
「役職文字数」欄に、LEN関数を使って、「役職」の文字数が表示されるようにします。
というわけで、1件目の「役職文字数」欄であるU2番地を選択し、[関数の挿入]ボタンをクリック。
ここからLEN関数の設定に入ります。
J2番地に入力された「役職」の文字数が表示されるよう、LEN関数を設定します。
設定方法が分からない方は「文字数をカウント!LEN関数」をご覧ください。
この時、「役職」のJ2番地が画面に表示されていないから設定できない!と焦った方も大丈夫。
横にスクロールすればちゃんと見えます。
U2番地に、J2番地に入力された「役職」の文字数を表示させることができました!
U2番地を選択した状態で数式バーを見ると、設定した数式の中身を確認できます。
今回設定した数式は、このようになります。
実はこれで住所録はほぼ完成!
「姓」と「名」欄には、まだ何も設定していませんが、これは住所録に全データを入力し終わった後、あっという間に全ての欄を埋める方法があるので、今は何もしなくてOKです。
これで住所録の仕組みづくりは完了!
実はこれでほぼ完成と言っても過言ではありませんが、次の「STEP 2:入力編」でもっともっと見やすく、入力しやすい住所録にするべく、手を加えていきましょう!